花の日記

 山歩(さんぽ)のときに出会った小さな花たちの記録

ヒュウガシダ

ヒュウガシダ

ノコギリシダ属も難しいなぁと思っていた中で、ヒュウガシダだったと教えていただきました。
ヒュウガシダはシロヤマシダとコクモウクジャクの雑種だといわれていますが、
ヒュウガシダが無融合生殖種なら合成種ということになり、雑種扱いは不要と教えていただきました。

鱗片

シロヤマシダにしては鱗片が多いという感じで、見た目はシロヤマシダです。

この谷にはシロヤマシダやコクモウクジャク、ニセコクモウクジャクが混生していて
他にもシロヤマシダにしては鱗片が残ってるなぁと思うようなものもあり
どこを頼りにヒュウガシダと分類するのか考えてみました。

クリックすると大きくなります。

全長を測ってこなかったのですが、最下羽片の長さは44cm。

クリックすると大きくなります。

大きすぎなので羽片を一枚だけもって帰っていて、測った結果。

最下羽片

羽柄は3.8cm、小羽片の側脈は2叉するものが多く、

ソーラス

ソーラスは中間、固まったようにも見えます。
裏山のシロヤマシダの胞子嚢は弾けて散ってたので、区別点になるかもと思ったのですが
固まっているように見えるけれど、胞子嚢は弾けていました。

ソーラス

ということで、シロヤマシダにも鱗片が残っているものはあるけれど
今回のはそれより鱗片が多く残っているということ。まだ観察不足ですね・・・

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ヒュウガシダ
分類  イワデンダ科  ヘラシダ属

シロヤマシダとコクモウクジャクの雑種。
Takamiya (in Bunrui 6: 19, in textu, 2006)によると雑種ではなく三倍体無融合生殖種。

クリックすると大きくなります。 ソーラス

春になったら胞子が正常なのか確かめてみます。



※分類体系は平凡社「日本の野生植物シダ編」に従っています。
 現在は ノコギリシダ属
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Comment

2015.02.09 Mon 13:42  合成種の一例

 ヒュウガシダやミクマノシダは雑種として発表されていますが、ヒュウガシダを記載した倉田悟氏自身が、「胞子は正常である」と記載文の中で述べています。無融合生殖がらみの「雑種」ですから、胞子が正常でかつヒュウガシダが無融合生殖種なら合成種ということになり、雑種扱いは不要です。先日のヒメイタチシダなどは、その典型ですね。
 無融合生殖がらみで雑種とするか独立種とするかは、ひとえに胞子が正常に形成されるかどうかにかかっています。セフリイノモトソウやハコネオオクジャクは異常な胞子が多く混じりますから、雑種でもよいでしょう(それでも10-30%くらいは生えます)。イノウエシダでは50%くらいでしょうか。それがキヨスミオオクジャクとなると、ほぼ100%生えます。現在キヨスミオオクジャクは独立種として扱われています。
 ヒュウガシダは九州(ほぼ全域)から四国南部を経て紀伊半島南部に見られます。じつは京都府のコクモウクジャクも、最初はヒュウガシダを疑いました。コクモウクジャクより大きくなり、鱗片がやや明るかったからです。しかし最下羽片の柄は長く、葉面が広三角形になる特徴から、ひとまずコクモウクジャクに入れました。
 ヒュウガシダとシロヤマシダあるいはコクモウクジャクとの中間型もありえるのが無融合生殖種の常道。そこは例によって「よしなに」の世界です。
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  • 光田 重幸
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2015.02.09 Mon 21:41  テスト

コメントが入りません。
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2015.02.09 Mon 21:49  ★みっちゃん先生へ★

コメントが入らないのは禁止ワードが入っているからだと思うのですが、何が禁止ワードなのかわかりません。

みっちゃん先生、こんばんは。
無融合生殖がらみの「雑種」って・・・イワヘゴのところでも教えていただきましたね。はーっとため息をつきながら、シダの発生のしくみをもう一度考えなおしてみました。シロヤマシダもコクモウクジャクも無融合性生殖なのに雑種になるの?(この部分を省略してみます)コクモウクジャクは有性生殖をするのもあるのかな?ああ、もうダメです。

それから、雑種扱いのところも訂正しました。ヒメイタチシダがその典型というのは、ナンカイとモトとミサキ の合成種という意味でですね。

それから、先生のコメントからヒュウガシダの特徴は「コクモウクジャクより大きくなり、鱗片がやや明るい。最下羽片の柄もコクモウほど長くはなく、葉面が広三角形にならない・・・と考えると、ピッタリ当てはまります。でも、シロヤマシダとの区別はやはり鱗片くらいしかないのでしょうか。「よしなに」の世界・・・まだ触れないでいようかな・・・。
忙しい中を先生ありがとうございました。
  • #s3xzpNyI
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2015.02.09 Mon 21:56  追伸

「おまかせ禁止ワードフィルタ」というものが設定してありました。はずしたので、これからは入ると思います。
それで、何を省略したのか忘れてしまいました。「ヒロハクリハランで教えて頂いた3倍体と言っても正常な胞子ができたりするからかのな、その場合3倍体のものも異数性のものあって・・・・」
  • #s3xzpNyI
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2015.02.10 Tue 08:38  禁止ワードとは…

 「放送禁止ワード」というのは、教師の生命線?のひとつ。一時はくわしく勉強しました(使わないためというより、裏をかくため)。生物などを教えていると、必ずひっかかりますからね。生物の名前は大目にみられており、メクラチビゴミムシやザリガニ(イザリガニの意味)がとがめられることはありません。「キチガイ」は原則だめですが、「フリムン(沖縄語で同義)」は誰もとがめません。こういう知識を駆使して、講義を楽しんでいます。
 コクモウクジャク類三種は、報告された信頼できるものでは、すべて三倍体無融合生殖です。下のアドレスで画面を表示し、検索の窓に学名Diplazium virescensを入れ、現れた種名の緑字のところをクリックしてみてください。
 http://ccdb.tau.ac.il/search/
 こういう仕事は研究者がやることですが、知っておいて損はないでしょう。ただ、シロヤマシダも三倍体の無融合生殖種。無融合生殖種どうしでは、理論上雑種はできません。どこかに有性生殖型があるとしか考えられません。
 また、別の観点からの考察を準備しておく必要もあります。たとえば、オキナワコクモウクジャクとニセコクモウクジャクの中間型がコクモウクジャクであるというような…。
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  • 光田 重幸
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2015.02.10 Tue 09:56  ★みっちゃん先生へ★

おはようございます。寒い朝です。京都は氷ついていたのではないでしょうか。
夕べから考えていた無融合生殖種の雑種について、理論上は雑種ができないと教えていただいてほっとしました。どこかに有性生殖型があるということを考えると、この谷のノコギリシダ属の複雑さがわかるような気がします。オオバミヤマspとしたものも、そういう環境の中で生まれてきたもののような気がするのです。

 http://ccdb.tau.ac.il/search/  ブックマークしました<(_ _)>
検索してみました。まだよく理解できないのですが、コクモウクジャクだとGametophytic(n)もSporophytic(2n) も123ということが、無融合生殖を意味しているのでしょうか。そして今回はたまたまn=61しかないので3倍体と想像してもいいですか?でも、イシカグマで検索すると理解できなくなりました・・・

放送禁止ワードを交わしたみっちゃん先生の講義は楽しそうです。そんな勉強なら今からでも受けてみたい。今日と明日はお休みなので何処かに出かけようと思ったのですが、暗いし寒いし図書館に行くことにします。
  • #s3xzpNyI
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2015.02.10 Tue 18:55  無融合生殖と考えてよいです

 配偶体世代(前葉体)と胞子体世代(シダの形をした状態)の染色体数が同じなら、減数分裂をしていないということ。これと無融合生殖とは完全に同義ではありませんが、もし有性生殖なら染色体数が倍化するわけで、そういう例は知りません。とくに配偶体世代と胞子体世代がともに三倍体なら、事実上無融合生殖と断定できます。(ただ、無融合生殖はオオクジャクシダなどの二倍体種にも見られます)。コクモウクジャク類は、いまのところすべて三倍体ですね。
 イシカグマ類には、無融合性のものは知られてなかったと思います。普通は四倍体、ときに二倍体です。雑種性のものは、染色体数が不安定になることがあります。ただ、四倍体どうしの雑種の場合、雑種は自動的に複二倍体になりえるわけで、正常な胞子ができることになります。オオイシカグマやヤエヤマカグマ(M. hancei)はともに四倍体で、この例にあたるかもしれません。
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.02.10 Tue 20:46  ★みっちゃん先生へ★

こんばんは、みっちゃん先生ありがとうございます。
これで無融合生殖かどうかをみわけることができそうです。ただ二倍体種のものにも例外があると頭の隅っこにメモしておきます。
それから、イシカグマをもう一度検索してみたら、記録の古いものは単に胞子体と配偶体の両方の染色体数が記入されていないことがわかりました。記録の新しいものを見ると、2倍体4倍体ということがわかります。

今日は田川図鑑を確認したくて図書館に行ってきました。平凡社の図鑑と同じ記述でした。もう少し調べてからまた聞いてくださいね。それから、カヤツリグサ科の図譜がほしいと思いました。
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 日本の野生植物草本1-3
 日本の野生植物木本1-2
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 日本の帰化植物
日本帰化植物写真図鑑(全農教)
日本のシダ植物図鑑1-8
     (東大出版)
しだの図鑑(保育社)
日本のスゲ(勝山輝男)
カヤツリグサ科入門図鑑(全農教)
イネ科ハンドブック(文一総合)
日本の水草(文一総合)
日本のテンナンショウ(北隆館)
増補改訂新版日本のきのこ(山溪)
検索入門きのこ図鑑(保育社)
長崎県植物誌(中西弘樹)
長崎県植物誌(外山三郎)
長崎県シダ植物誌(松林文作)
対馬の花ⅠⅡ(邑上益朗)
九州の野の花 春夏秋
日本の野菊(山溪)
樹に咲く花1~3(山溪)

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