花の日記

 山歩(さんぽ)のときに出会った小さな花たちの記録

ヒロハクリハラン(1)

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林道を歩いていると、川向こう一面に生えているのは・・・クリハラン?
立ち入り禁止の札があるので、川をぐるっと一回りして近づいてみました。

ヒロハクリハラン

これならヒロハクリハランとよんでもよさそうですか?

葉の幅

葉の一番広いところが下のほうにあり、幅は10cm!

ソーラス

ソーラスは脈のちかくについています。

ソーラス

別にソーラスが一列に並んでいなくったって

脈の近く

葉が長く広くなると2列3列になるけれど・・・OK?

長さはいろいろ

それに、長いもの短いもの、やせたの太ったのなどいろいろ。

ポチャリ

歪なのは別として、これは小さめで葉面の長さ20cm

長いのも・・・

長いもので30cm以上あるものもあり、やせても幅は6cm以上ある。
中にはクリハランに似ているものもあるけれど、全体的に重心が下にありました。
ヒロハクリハランは琉球の型とあるけれど、長崎のとどう違うのか確かめたいなv(^^*)


追伸
胞子

ヒロハクリハランの染色体数が2n=108というところから進めなかったのですが、
「2n=108というのは12×9で9倍体に。n=36だとすると3倍体に。いずれにせよ奇数」
と教えていただきました。
さっそく顕微鏡をのぞいてみると・・・

拡大

普通じゃないことはわかりました・・・^m^

ヒロハクリハランとクリハランの違いを調べてみました。

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クリハランとの違いを調べてみました。
ヒロハクリハランのほうが葉がうすく、クリハランの胞子は正常です。

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ヒロハクリハラン
分類  ウラボシ科 クリハラン属
分布

平凡社の「図鑑では「ヒマラヤから中国、フィリピンに分布する Neolepisorus ovatus (Bedd.) Ching.との中間型とする考えもある」とかいてありました。またflora of japanでは、ヒロハクリハランはクリハランと区別していなくて備考のページで染色体数は2n=108と記してありました。クリハランの染色体は2n=144?難しくなってきたので、このあたりで降参
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Comment

2015.01.11 Sun 18:31  パチパチパチ!

 「ツノ出せヤリ出せ、ハゴロモなれ~」と歌いたくなるような立派なヒロハですね。文句なし。ソーラスのつきかたは、気にしないでいいです。ふつうのクリハランでも、こんなものはあります。それより、葉の光沢はしっかりしているようだし、葉の下部の葉縁もスムーズ。これがヒロハで、ハゴロモとは系統が違うのかもしれません。
 陽だまりさんは、山口県までいったのでしょうか。あそこのものは葉に艶がなく、下部の葉縁もデコボコしていたような記事を見た記憶が。あれはハゴロモ一型なのかもしれません。
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.01.11 Sun 18:55  追伸

 ウラボシ科の染色体数は一般にn=36とされています。シノブ科と同じですね。ただ、大分大学におられた武井先生は詳細な核型分析を行い、染色体の対合から基数は12だと推測しておられます。
 すると2n=108というのは12×9で9倍体に。n=36だとすると3倍体に。いずれにせよ奇数ですから、無融合生殖でもしないかぎり胞子ができないことになります。しかしクリハラン類に無融合生殖は報告されておらず、ハゴロモクリハランでは正常な胞子ができていました。ヒロハでもできているだろうと思います。手元にあれば、顕微鏡の出番ですよ。
 3倍体なら、4倍体(クリハラン)と2倍体(未知)との雑種起源である可能性もあるわけです。ヒロハが2n=108というのは武井先生の観察だったように思いますが、原サンプルはどんなものだったのでしょうか?
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.01.11 Sun 21:41  ★みっちゃん先生へ★

みっちゃん先生、こんばんは。
「2n=108というのは12×9で9倍体に。n=36だとすると3倍体に。」これがわからなかったんです。flora of japanには3倍体というところまでは書いてあるのでn=36で、クリハランは144÷36で4倍体となるんですね。わかってきました。それで、三倍体の胞子は不ぞろいでした。

クリハランがだんだん面白くなってきました、陽だまりさんのが楽しみですね。
このヒロハクリハランはシダ園の草取りをしているとき、クリハランがどうもヒロハみたいで気になって場所を教えていただいたんです。自宅から20分でいけそうで、ふっとんで行きました。
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2015.01.12 Mon 01:52  ★みっちゃん先生へ★

それから、これだけ多いのでハゴロモになっていないか見てまわりましたが、葉の下部の葉縁につのが出たのはありませんでした。でも三倍体だからか歪な形が多かったです。ということでヒロハは雑種起源という可能性がありますか?
また以前、これはヒロハクリハランでしょうか?とたずねたものは、胞子がそろっていたのでクリハランの大きいものだということもわかりました。陽だまりさんのハゴロモも見てみたいです。
いろんなことがわかってすっきりしました。ありがとうございました。
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.12 Mon 05:49  顕微鏡写真

 驚きましたね。「どうせ正常だろう」とたかをくくっていたら、逆の結果になろうとは。胞子の大半はイビツですが、正常な形のものも見受けられます。雑種性であると断定はできないのですが、その可能性は高いでしょう。
 仮に3倍体だとした場合、このように正常な形の胞子ができる例はあります。非減数で3倍体の胞子ができる場合や、何らかの過程でn(染色体数36を意味しますが、異数性のことも)の胞子ができる場合です。生えるかどうか、胞子体ができるかどうかは、育ててみないとわからないのですが。
 ヒロハクリハランが雑種起源だと仮定した場合、もっとも単純なケースはクリハラン(4倍体)と未知の2倍体との雑種でしょう。この場合、クリハランそのものに2倍体があるという想定は、葉の形が変わるということを説明できず、ハゴロモこそ2倍体の別種(ovatus)であると推定するのが最も簡単です。上から3枚目の写真を拝見すると、多少葉に艶がないようにも見受けられます。いずれにせよ、この仮定の検証は、今後の課題です。
 中国のovatus種が見たいところですが、調べてみると2010年ころに園芸用に輸入されていたことがわかりました。売りつくされたのか現在業者のリストにはないようです。ただ一部の趣味家は栽培しているようで、分譲してもらえないか交渉中です。日本産のハゴロモについても、染色体数を調べ直す必要が出てきましたね。
  • #nhd7UlXU
  • 光田 重幸
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2015.01.12 Mon 09:59  ★みっちゃん先生へ★

みっちゃん先生、おはようございます。
陽だまりさんがおっしゃるように、ワクワクドキドキしてきましたね。私はまだヒロハかどうかで悩んでいる程度なので、詳しいことはわかりませんがとってもうれしいです。情報がネットでつながっているというのは、こんなとき反応が早くてすごいです。中国のovatus種との関係がわかるといいですね。あんまり内容が深いので、これ以上のコメントができません。でもとても興味があります。
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.12 Mon 21:18  長崎にハゴロモは?

 「日本のシダ植物図鑑8」のハゴロモクリハランの分布図を見ると、長崎県に★印があります。これは、「標本は未確認だが、文献に記録がある」ことを意味します。
 松林先生あたりの御本に、ハゴロモが載っているのでしょうか。誤認するようなものではないと思うのですが。もし載っているなら、その地域は石灰分を含む岩石地帯でしょうか。
 このページにあるヒロハクリハランも、どのような岩石地帯かわかりますか?京都でヒロハ?と思われるものは緑色岩地帯にあるのですが。
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.01.13 Tue 01:56  ★みっちゃん先生へ★

みっちゃん先生、こんばんは
私も地質のことが気になって調べているのですが、このあたりは玄武岩安山岩みたいなんです。国土調査の地図がちょうど分割さていて詳しく読み取ることができません。ナガサキシダがよくめだちました。他に変わったものには気がつきませんでした。
それから、ハゴロモクリハランは松林先生の本にも、外山先生のS14年出版の分にものっていませんでした。レッドデータブックの中にもありません。もう少しよくさがしてみますね。
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.13 Tue 04:46  すみません

 文献産地というのは私の勘違いで、標本による追加産地でした。同巻80Pに、その標本の産地と採集者が載っています。四半世紀前の標本ですが、採集者は福岡県小郡郡在住の方で、御存命かもしれません。陽だまりさんはご存知と思います。その標本はつくばの国立科学博物館にあるようです。
 安山岩ではたまに、玄武岩なら常習的に石灰分を含んでいます。関係があるかもしれません。上記のハゴロモ産地も、一目で石灰岩地帯とわかるところです。おついでの折に探索してみてください。
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.01.13 Tue 07:12  産地情報

ハゴロモの経緯は推理小説で犯人の正体が徐々に明らかになってゆくのに似て楽しいです。小郡辺りに在住の方だとM先生でしょうか。
山口県のヒロハクリハランについて知人から情報が届きました。以下は、その要約です。“山口県植物誌(1972)では、「ヒロハクリハランは田川基二によって岩国市城山の個体を基準標本として、植物研究雑誌に発表」されたとあるようだが、山口県産高等植物目録(2000)(山口県植物誌の植物目録の縮約)では、ヒロハクリハランの記載はなくなり、ハゴロモクリハラン(ごく稀)の記載がある”とのことです。

光田先生、福岡県のハゴロモクリハランの産地情報をありがとうございます。調べてみます。
  • #KtOtvm9U
  • 陽だまり
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2015.01.13 Tue 07:52  Re産地情報

 陽だまりさんへ
 カヤツリグサ科がお得意の古賀先生です。まだ御存命でしょうか。
 産地は長崎県です。刊行本にすでに載っているので隠す必要はない(それに国立公園内ですし)と思いますから書きますが、西海市の七ツ釜鍾乳洞。有名すぎるところですね。
 ヒロハクリハランのタイプ標本は、たしかに山口県で田川先生ご自身が採った標本。京都大学にあるはずですから、ついでに見てくるつもりです。沖縄では私は見たことがなく、「ヒロハは沖縄方面の型」というのは、気になる記述です。あるとすればたぶん古い石灰岩が出ている本部半島以北でしょう(こまつなさんのホームグラウンド)。
 それにしても、タイプ産地のヒロハを無視しハゴロモとするのは英断か凡ミス。陽だまりさんが確かめられたように、現地にはヒロハとハゴロモの両タイプがあるようですので、ヒロハは認めずハゴロモを追加したということでしょうか。それなら英断なのでしょうが。

追伸 沖縄県の産地は、本島の南部でした。座喜味城跡です。もう80年近く昔の標本が、京都大学にあるとのことです。でも、今もあるのかな?
  • #UPCNk2uw
  • 光田 重幸
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2015.01.13 Tue 10:12  皆さま、おはようございます。

ちょっと散歩してきますので、夜に続きを書きますね。m(_ _;)m
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.13 Tue 22:30  古賀先生

光田先生
小郡在住というので、てっきり福岡県の水無鍾乳洞のことだと思いました。私は古賀先生を存じ上げません。たぶん知っているだろう方を知っているので確認はできる思います。
山口県産高等植物目録(2000)ではクリハランとハゴロモクリハランの二種だけになっているそうです。

ハゴロモのタイプ標本が私のハゴロモと同じタイプかどうかが問題ですね。
  • #KtOtvm9U
  • 陽だまり
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2015.01.13 Tue 22:34  

 皆さま、こんばんは。ヒロハクリハランがあるとすれば座喜味城址(読谷です、pandaちゃんがいつか宿泊されたホテルに近い)なんですか、
昨年は座喜味城址に50年前位のシダの記述を便りに城壁をくまなく探しましたが、何しろ世界遺産に登録されてしまってから城壁の雑草も綺麗にお掃除をされてしまって、綺麗過ぎて残っていませんでした。でも機会を見て出かけた時は探してみようとおもいます。
  • #YPF4kFnU
  • こまつな
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2015.01.14 Wed 05:57  ★みっちゃん先生へ★

みっちゃん先生、おはようございます。
いろんなことを教えていただいてありがとうございます。
最初は「ヒロハクリハランでしょうか?」から始まったのですが、調べてみるとその地にもヒロハクリハランとして記録が残っていました。だからあんなに幅広いクリハランがあったのだなと思いました。昨日見てきた石灰岩地にはクリハランとヒロハクリハランが混生していて、区別するのが難しいなと思うところもありました。
陽だまりさんのおかげで、この数日でいろんなことがわかり楽しかったです。今はまだ頭の中が混沌としているので、もうちょっと整理してみますね。
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.14 Wed 06:08  ★陽だまりさんへ★

陽だまりさん、おはようございます。
ヒロハは沖縄の形というので、沖縄に行けば解決するするものと思っていましたが、解決の糸口は山口にあるのかな?そうだとすると山口のものとこちらのヒロハは見た感じ、形は全然違います。同じものとは思えないけれど、どこか共通点があるのかしら?(胞子が不ぞろいという点では同じだけど。)どこを比べてみようかな?なんて思いながら標本をながめています。
そして北九州のものも長崎のものとも全然違います。
同じ石灰岩地なのに、山口のもの、北九州のもの、長崎のものとみてみるとおもしろいですね。こうなったら、やっぱり沖縄でクリハランを見てみたいものです。
  • #s3xzpNyI
  • panda
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2015.01.14 Wed 06:14  ★こまさんへ★

こまさん、おはようございます。
ヒロハクリハランは川のそばや湿ったところにあると思います。一日はやく那覇に着くので、ヒロハクリハランを探すのも楽しいかもしれません。沖縄の場合どこも石灰岩地なのかしら?ちょっとワクワクしてきました。みっちゃん先生が指令を出してくれるといいのにねv(^^*)
  • #s3xzpNyI
  • panda
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カヤツリグサ科入門図鑑(全農教)
イネ科ハンドブック(文一総合)
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長崎県植物誌(外山三郎)
長崎県シダ植物誌(松林文作)
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日本の野菊(山溪)
樹に咲く花1~3(山溪)

Flora of japan
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から引用しています

参考にしているサイト
撮れたてドットコム
大阪南部の自然シダ植物
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